秋の味覚はポリフェノールの宝庫

秋は収穫の季節であり、「食欲の秋」といわれるほど一年の中で最も旬の食材が豊かな季節です。
旬の食べ物にはその時期に合わせて、私たちの体調を整える働きがあります。
秋の食材は、夏の疲れをリセットして、これから迎える冬に備えた体作りに重要な栄養源なのです。

中でも秋に多く登場する「ポリフェノール」は、抗酸化作用や老化予防、免疫に働くものが多いことから、美容・健康面で大人気の成分です。
特に赤ワインはこのポリフェノールが豊富に含まれていることから、世界中で飲まれ続けています。

目次

赤ワインだけじゃない!あれもこれもポリフェノール

ポリフェノールは、ほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分。
自然界には5,000種類以上もあるといわれ、紅葉の赤い色素もポリフェノールの一種です。
まさに、あれもこれもポリフェノールなのです。

いろいろな健康効果が期待できるポリフェノールですが、それぞれ種類によって異なる働きがあります。
どんなものに多く含まれているのか、代表的な秋の食材からご紹介します。

若々しさに「レスベラトロール」

レスベラトロールは、生活習慣対策や美容に大人気の成分です。

レスベラトロールを多く含む食品の代表格といえば赤ワイン。他にも、アーモンドの薄皮、リンゴの皮やザクロ、イチゴなどにも含まれています。

眼の健康に「アントシアニン」

アントシアニンは、瞳の健康や、パソコン・スマホ使用時の眼精疲労に対する研究が進んでいます。

アントシアニンはブルーベリー、黒豆、茄子、ぶどう、紫キャベツ、紫たまねぎ、紫蘇など、紫色の野菜や果物に多く含まれています。

更年期の悩みに「イソフラボン」

女性ホルモン「エストロゲン」と似た働きがあり、美しさや若々しさをサポートしたり、女性特有の悩みや生活習慣予防にも役立つことでも知られています。肌の弾力、骨粗鬆症予防など、美容健康サポート成分として人気があります。

イソフラボンは納豆、豆腐、油揚げ、みそ、きなこなど、大豆製品に多く含まれています。

肌の引締めに「タンニン」

タンニンには色々な働きがあり、肌につけることで、毛穴を引き締めたりシミの原因であるメラニン色素の沈着を防いだりします。抗菌・消臭剤としても石鹸や化粧品にも使われています。

ぶどうの皮、柿渋、緑茶、ナッツや栗の渋皮に含まれている植物の渋み成分


美容と健康に「エラグ酸」

シミ・ソバカスを抑制するエラグ酸は、美容以外にも、脂肪燃焼や持久力の向上など、多方面で健康をサポートすることがわかっています。

エラグ酸は、ザクロ、イチゴ、ラズベリー、ナッツ類などに多く含まれています。

イキイキ健康に「ルチン」

強力な抗酸化力をもつルチンは、健康長寿に役立つ嬉しい働きがいっぱい。特に、そばに非常に多く含まれており、「ビタミンP」とも呼ばれます。

柑橘類の皮、いちじく、玉ねぎなどにも含まれています。

二日酔い予防に「クルクミン」

クルクミンはウコンから抽出されるターメリックの主成分二日酔い予防に人気の成分です。強い抗酸化作用を持つため、美肌作りにも応用されています。

たくあんの着色料の原料としても使われています。
※クルクミンの含有量(100g中)/秋ウコン=200~700mg、春ウコン=50~100mg

脂肪の吸収抑制「クロロゲン酸」

クロロゲン酸は、コーヒー豆から初めて発見された物質で、コーヒーポリフェノールとも呼ばれています。脂肪の吸収抑制のほか、現在多様な健康効果が期待されている成分です。

さつまいも、ごぼう、じゃがいも、りんごなどにも含まれています。

息を吸うだけで体はサビつく?「サビと戦うポリフェノールの抗酸化力」

力強い味方、ポリフェノール

植物が過酷な自然環境で生きていく上で、自分自身を守るために作り出した自己防衛成分がポリフェノールです。
過酷な環境で生きる植物ほどポリフェノールを多く含むといわれています。
植物が生きていく上で重要なこの成分は、私たちの身体にとっても大切な働きを与えてくれる、力強い味方なのです
1990年代初頭から、その健康効果は世界的にも注目され、そして今もなお、脚光を浴び続けています。

抗酸化力とは

私たちの身体は酸素を利用してエネルギーを作り出しています。
生きて呼吸をして、食物を食べて活動をする過程で、体内には常にサビが蓄積され続け、どんどんダメージを受けていきます。

このサビの発生を抑制する働きが「抗酸化力」です。
サビが増える原因はさまざまですが、最大の理由は加齢であると考えられています。人の抗酸化力は20歳代をピークに、徐々に低下していきます。

サビと戦うポリフェノール!

人間の身体にはもともと、サビを取り除くメカニズムが備わっています。
ビタミンCは体内に溜まっていくサビを取り除く働きがありますが、取り除いたサビはビタミンCが抱え込むことになります。

そこでポリフェノールの出番です。
ポリフェノールには、サビを抱え込んで疲れてしまったビタミンCを再び元気にする作用があります。
注目すべきポイントは、その強い抗酸化力で、サビを封じ込めて無害化することもできるのです。
私たちの身体をサビから守ることによって、老化を予防したり、他にもさまざまな健康効果が期待できます

サビと戦う頼もしいポリフェノールは、嬉しいことに秋の食材に豊富に含まれています。
免疫力をサポートするものも多く、毎年冬に流行するインフルエンザなどの事前対策として、秋にたっぷり摂取したい成分です。
夏の疲れや紫外線ダメージを回復することにも役立つことがわかっています。

特に皮や種の部分に多く含まれているので、なるべく皮ごと食べたほうがポリフェノールをより多くとることができます。
また、水に溶けやすい性質があるため短時間で作用する一方、一度にたくさんとっても体に留めておくことができません。

毎日コツコツととり続けることが大切です。

いかがでしたか?
皆さんも秋の味覚を楽しみながらポリフェノールを摂取して、美しく、健康を保ちましょう!

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