寝苦しい夏の夜を乗り切る睡眠術

夜間の最低気温が25℃以上になる夜のことを「熱帯夜」と呼びます。

寝苦しくて眠れなかったり、寝てもなんだか疲れが残っていたり…。
暑さと湿度による不快感が眠りを妨げてしまうことが大きな原因です。
また、日中の暑さによる体力の消耗も加わり、熱中症になるリスクも高まります。

睡眠不足は万病の元。
健康な身体を作るためには、食事・運動、そして十分な睡眠をとりましょう。

夏の夜が苦手でいつも睡眠不足という方へ、今回は不快な夏の夜に睡眠スイッチを入れるコツをご紹介します。「自分にあった入眠方法」をみつけて、夏の夜を乗り切りましょう。

目次

睡眠スイッチを入れる5つのコツ

ここでは睡眠スイッチを入れる5つのコツをご紹介します。
眠りのメカニズムを知って、寝苦しい夏の夜を乗り越えましょう!

1. 最初の深い眠りが重要「ノンレム睡眠」

睡眠は、脳や身体が休息して疲労回復を行う「ノンレム睡眠」と、脳が活発に働いて記憶の整理や定着を行う「レム睡眠」からなります。
眠りに入るとまず、一気に深いノンレム睡眠から始まります。
その後、1時間ほど経つと徐々に眠りが浅くなり、レム睡眠へと移行します。

このように最初の睡眠サイクルで深いノンレム睡眠に入ることで、全体として深い睡眠が多くなり、質の高い睡眠が得られると考えられています。

一晩の眠りのサイクル

睡眠は「深いノンレム睡眠」から始まり、徐々に眠りが浅くなって「レム睡眠」へと移行します。
睡眠後半に向けて一回ごとのレム睡眠時間が徐々に増加し、目覚めるための準備を行います。

2. 深いノンレム睡眠を促す「副交感神経」

自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分けられます。
日中、活動している時は「交感神経」が優位に、リラックス時や睡眠時には「副交感神経」が優位に働きます。

最初の睡眠サイクルで深いノンレム睡眠に入るためには、睡眠前にリラックスして副交感神経を働かして、入眠の準備をしましょう。
昼間起きた問題や心配事をあれこれと考えて興奮モードにしない。できれば消灯した部屋で眠りにつくことがおすすめです。

また、就寝直前の満腹や空腹、カフェイン摂取、PCやスマートフォンの操作、激しい運動なども避けましょう。

3. 一旦上げて、効率よく下げる「深部体温」

私たちの体は「深部体温※1」が下がり始めると眠くなり、上昇すると覚醒しやすくなります。
熱帯夜は気温が高いため深部体温が下がりづらくなり、眠りの妨げになってしまいます。

そこ深部体温を効率よく下げるためには一旦、体温を上げてから下げる方法が有効。そうすることで深い眠りに入りやすくなるといわれています。

軽いストレッチや、就寝1~2時間前に湯船につかるなどを習慣的に行うとよいでしょう。
※1:深部体温:脳や内臓など体の内部の温度のこと

■体温と眠りの関係

就床前の時間帯は深部体温が急速に冷えて、同時にメラトニンが分泌を始め、眠気が高まります。

4. スムーズに眠りにつく「温度・湿度管理」

夏の夜は、暑さや湿度による不快感に加えて深部体温が下がりにくく、結果として寝つきが悪い、寝ても途中で起きてしまうといったことが起きてしまいます。
スムーズな眠りのためには、エアコンや扇風機を上手に使って寝室の温度管理をしましょう。

寝始めの3時間、最も眠りが深いノンレム睡眠のサイクルにあわせ、タイマーを2〜3時間に設定するとよいでしょう。
この時間にぐっすり眠ることが、睡眠の質をアップするポイントです。

できれば除湿器などで湿度もコントロールすると、室温の下げすぎ防止にもなります。

5. 睡眠ホルモンの原料「トリプトファン」

睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」は、就寝1~2時間前に上昇し副交感神経を優位にして快適な眠りへと導いてくれます。
このメラトニンは、セロトニンを材料に分泌します。

セロトニンは体内で作ることができないので、「トリプトファン」などの栄養素を口から摂取する必要があります。
トリプトファンは豆腐・納豆などの大豆製品、乳製品、穀類に多く含まれます。その他、ごま・ピーナッツ・卵・バナナ・肉魚にも含まれています。

参考資料:
厚労省eヘルスネット

いかがでしたか?
睡眠スイッチを上手く管理して睡眠の質を上げ、寝苦しい夏の夜を一緒に乗り越えましょう!

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