春のムズムズ、何とかしたい!「花粉対策」

今年もあの憂鬱な季節がやってきました。
日本人の3人に1人と言われている春の代表的な症状「花粉症」。

昨年は「コロナ禍の花粉症、マスク不足!」と日本中が大騒ぎになりましたね。
さて今年はマスクは十分供給されているものの、花粉対策と換気のタイミングが課題となっています。
すでに花粉症デビューしている人はもちろん、症状がない人も必見。
花粉の予防と緩和に役立つ基礎知識をご紹介します。

※参考:ウェザーニュース調査より(2019年1月22日〜23日)

目次

花粉症の基礎知識

花粉症とは

花粉症は、特定の植物の花粉に対して人間の体が起こすアレルギー反応です。
人間には体内に入った異物から身を守る免疫機能が備わっているのですが、無害なはずの花粉を、体が異物と誤認。

このとき過剰に免疫機能が働いて体内に「抗体」ができ、くしゃみや鼻づまり、目のかゆみなどの防衛反応をひき起こします。

日頃から体調を整える

花粉症はアレルギー反応のため、免疫機能や鼻の粘膜を正常に保つことが肝心。
食生活や睡眠不足、運動不足、重なるストレス、飲酒、喫煙などの、乱れがちな生活リズムを整えることが重要です。

来年の春に向け、早めに生活習慣を見直して免疫力向上を目指しましょう。

基本は花粉を避ける

原因は花粉であることがはっきり分かっており、症状を少しでも緩和させるには、いかに花粉を避けるかが重要となります。
そのためには、天気予報やネットで花粉飛散状況を把握しましょう。

花粉情報は、各市町村や環境省花粉観測システム「はなこさん」でリアルタイム配信されています。飛散の多い時は外出を控えましょう。

花粉の時期

地域や花粉の種類によって花粉の飛散時期は異なります。
関東地方では、2月~4月はスギ、4月~5月はヒノキ科、6月~8月はイネ科、8月~10月はブタクサやヨモギなどの雑草類が例年の飛散時期です。

出典:環境省「花粉カレンダー」鼻アレルギー診療ガイドライン2014年版

花粉症デビューしていない人も、油断しないで!

かかっていない人は、今は大丈夫でも将来デビューするかもしれないので安心できません!
大量の花粉を浴び続けると、抗体を生み出すリスクが高くなります。
花粉にはなるべく接しないようにご注意ください。

花粉の正体、大半はスギ林

花粉症の約7割はスギ花粉。
スギの木は日本固有種のため、スギ花粉が問題となっているのは、日本くらいです。
スギ林の面積は全国の森林の18%、国土の12%を占めています。

どうする?コロナ禍での換気法

新型コロナウイルス対策のためには、こまめな換気が推奨されています。
しかし、花粉シーズンに窓を全開にして換気をすると大量の花粉が室内に流入します。

窓を開ける場合は、10cm程度開けるだけでも充分換気ができます。
気温の低い夜遅くから朝にかけてが飛散の少ない時間帯なので、「朝起きたらまず換気」を心がけ、花粉の流入を最小限に抑えましょう。

衣食住でツライ季節をラクに乗り切る!「7つの秘策」

1.マスクとメガネで眼・鼻・口を防ぐ

花粉のほとんどは鼻と口から体内に侵入してきます。
隙間があると花粉が入ってくるので、マスクは顔にフィットするものを選ぶこと。
さらに、マスクの内側にガーゼを当てると侵入する花粉量は減少します。

眼の粘膜に花粉が付着しないようにメガネをかけるのも効果的。
通常のメガネでも、使用しない場合に比べて眼に入る花粉量はおよそ40%減少。
防御カバーのついた専用メガネではおよそ65%も減少します。

また、つばの広い帽子や手袋も花粉の付着量を減らすのに役立ちます。

2.手洗い・うがい・洗顔

外出から帰ってきたらすぐに、手洗い・うがい、そして洗顔もしましょう。
花粉対策だけでなく、ウイルス対策にも役立ちます。

3.掃除・洗濯

部屋の換気をしたいときは窓を全開にせず少しだけ開けて、網戸やレースのカーテンで花粉の侵入を防ぎましょう。
換気のタイミングは、比較的花粉の飛散量が少ない早朝がおすすめなので、掃除も朝のうちに。また、カーテンは定期的に洗濯しましょう。

洗濯は部屋干しがおすすめ。外で干す場合は、室内に取り込む際しっかりと花粉を払い落としましょう。
さらに柔軟剤を使うと静電気の発生を抑えられ、花粉が付着しにくくなります。

4.家に持ち込まない

一般的にウールの衣類は花粉が付着しやすいので、綿やポリエステルなどの化学繊維で、表面がツルツルしている素材がベストです。
帰宅時には玄関先で花粉を払って、家の中に持ちこまないようにしましょう。

そして帰宅後はすぐにシャワーや入浴をすませ、体や髪に付いた花粉を洗い流すのが理想的です。

5.花粉飛散状況を把握する

飛散の多い日時は外出を控えたり、窓を閉めておきましょう。

花粉の飛散が多い日の例
・晴れて、気温が高い日
・空気が乾燥して、風が強い日
・雨上がりの翌日や、気温の高い日が2~3日続いた後
*気温の上がる昼前後と夕方がゴールデンタイムです!

6.生活習慣の改善

・刺激物の多い食事を控える
・喫煙や飲酒を控える
・不規則な生活を避ける
・過労、睡眠不足を避ける
・ストレスをためない

タバコや香辛料などの刺激物は、鼻の粘膜を刺激します。
また、飲酒は鼻づまりや目の充血などの症状を起こしやすいので控えましょう。

7.食生活

花粉の予防・緩和には、ポリフェノールやEPA/DHA、発酵食品など免疫機能を高める食生活が良いとされています。腸内環境を良好にする乳酸菌や食物繊維も役立ちます。
上手に摂り入れて、食事からも対策をしましょう。

いかがでしたか?
すでに花粉症の方もそうでない方も、こちらの記事を参考に対策してみてくださいね。

参考資料:
花粉症環境保健マニュアル2019
厚生労働省 花粉症対策Q&A
的確なスギ花粉治療の為に
花粉症環境保健マニュアル2019
厚生労働省 花粉症対策Q&A

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