長く続く巣ごもりで体重が増加した、という方も多いのではないでしょうか。
ある調査では、4人に1人がコロナ前後で体重が増えたと回答。体重が増加した人は平均3.7㎏増加したとの報告が上がっています。※
外出が減ったことによる運動不足、飲酒や食事時間が増えたことによる摂取カロリー過多、ストレスなど、いろいろな事が重なった結果と考えられます。
体重が増えると生活習慣病のリスクが高まり、腰痛や膝痛の要因にも。
肥満は多くの疾患の元となるため、肥満対策は健康管理においてとても重要です。
将来の健康にも大きく影響します。
いつまでもイキイキと健康に過ごすためにも、適正体重の維持を心がけましょう!
※:クロスマーケティング:2021年5月 新型コロナウイルス生活影響度調査(健康編)
肥満は万病の元!まずは、自分の肥満度をチェック
肥満とは、体重が重いだけではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態をいいます。
肥満度の判定には、国際標準指標であるBMIが用いられます。
BMIは22が標準で、最も理想的な状態。
25を超えると脂質異常や糖尿病、血圧などの生活習慣病のリスクが健康な状態の2倍以上になり、30を超えると高度な肥満として、より積極的な減量を要するものとされています。
BMI:肥満度分類表(日本肥満学会)
日本肥満学会の定めた基準では、18.5未満が「低体重」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」とされています。
肥満はその度合いによってさらに「肥満1」から「肥満4」に分類されます。
もしかして「隠れ肥満」?
BMIは身長と体重から単純に計算された値なので、これだけでは筋肉質なのか脂肪過多なのか区別はできません。
BMIが標準でも、体脂肪率が高い「隠れ肥満」となっている場合も。隠れ肥満判定の目安のひとつとして、体脂肪率も定期的に測定しましょう。
メタボリックシンドローム
胴囲(内臓脂肪の蓄積度)に加えて、「中性脂肪」「血圧」「血糖」のうち2つ以上が該当した状態を「メタボリックシンドローム」といいます。
これに当てはまると、動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞など生活習慣病のリスクが高まります。
内臓脂肪は、消費するエネルギーよりも摂取するエネルギーが多くなると蓄積されます。日頃の生活習慣を見直し、メタボリックシンドロームを予防しましょう。
脂肪を燃焼しやすい身体を作る
間違ったダイエットはサルコペニア肥満の恐れも
太ったからといって極端に食事制限をしたり、特定のものばかりを食べるダイエットは、低栄養状態になったり、脂肪が増えて筋肉が落ちてしまう「サルコペニア肥満」のリスクを高めることになります。
サルコペニアは25~30歳頃から始まり、生涯を通して進行しますが、筋力・筋肉量を向上させることで進行を抑制することができます。
太りにくい身体とは
肥満対策は、「エネルギーの摂取量(食事)」と「エネルギーの消費量(運動)」のバランスを改善することが基本です。
運動は、消費エネルギーを増やすとともに、筋肉量を増やす効果があります。
筋肉量が減ると体重も減りますが、脂肪燃焼力は下がり脂肪が蓄積されていきます。
同じ体重でも筋肉量の多い人の方が基礎代謝が上がり、消費エネルギーも大きくなるため、太りにくくなるのです。
日常生活の中で効率的に筋肉をつけるためには、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動と筋トレを組み合わせるのがおすすめです。
中でも自宅でもすぐに始められるスクワットは、筋肉が集まっている下肢全体(太腿の表・裏、お尻やふくらはぎなど)をまんべんなく動かすため、体力に自信のない人でも効率的に足腰を鍛えることができます。
運動で消費するエネルギー量の目安
いかがでしたか?
自分の状態をしっかり理解した上で、正しく脂肪を燃焼する体づくりをしていきましょう!
運動だけでなく、筋肉をつくる肉・魚・卵・大豆・乳製品などのたんぱく質、ビタミン類も忘れずに、しっかりとることが大切です。
参考資料:
厚労省eヘルスネット
つくば総合健診センター
厚労省 健康づくりのための運動指針 2006
全国健康保険協会