一生自分の歯を保つお口ケアの新常識

歯周病や虫歯を防ぐには殺菌力が一番だと思っていませんか?実は、殺菌力が高すぎるとロの中の細菌バランスが乱れる恐れがあるんです。

「腸と同じように、ロの中にも善玉菌、悪玉菌、日和見菌がいて、バランスを保っています。ケア不足などで悪玉菌が増えると、歯周病や虫歯の原因に。殺菌力の高い歯みがき剤などは悪玉菌に有効ですが、善玉菌の働きも弱めてしまうので要注意。ロの中のトラブルを防ぐには、細菌バランスを整えるケアが大切です」(北原文子先生)

善玉菌を”生かす”正しいケアで、おロの健康を守りましょう。

教えてくれたのは…
北原 文子先生
歯科衛生士。歯科医療コンサルタントとして全国の歯科医院で人材育成などを行うほか、メディアや講演会でロ腔ケアについて発信している。

北原 文子先生
目次

おロの中も細菌バランスが大切!

おロの細菌の理想的なバランスは善玉菌2、日和見菌7、悪玉菌1。ロ腔ケアが不十分だったり、唾液量が少ないと悪玉菌が増殖。細菌バランスが乱れ、歯周病や虫歯の原因に。

善玉菌を生かす、正しいお口ケア

理想的な細菌バランスに整えるには、毎日のお手入れが大切。
ロ腔ケアグッズを上手に使って、悪玉菌の増殖を防ぎましょう。

歯みがき剤や洗ロ液は殺菌力が強すぎないものを

殺菌力が高すぎると、悪玉菌と一緒に善玉菌も死んでしまうので要注意。歯みがき剤は歯周病予防、虫歯予防など、用途に合わせて成分を選んで。洗ロ液はノンアルコールのものを。

歯みがきは食後30分以内 ロうがいだけでもOK

食べかすが残っていると、悪玉菌が増えやすい状態に。食後は30分以内に歯をみがきましょう。時間がない時はロうがいOK。ロをぶくぶくと大きく上下左右に動かして。

歯間ブラシやフロスは歯みがきの前に

歯みがきの前に歯と歯の間の汚れをしっかりかき出しておくことで、歯みがき剤の成分が歯の間にもしっかりと届きます。歯間ブラシは2日に1回、フロスは週1回を目安に。

歯みがき剤正しく使えていますか?
歯みがき剤の成分はみがいている間に唾液で薄まってしまうため、歯ブラシの3分の2くらい、たっぷりつけて。最初に上下左右の奥歯に伸ばしておくと、まんべんなく成分が行き渡ります。

歯をなくさない!健ロ習慣

おロの中の細菌バランスは生活習慣を見直すことでも整えられます。
唾液量を増やしたり、歯を健康に保つ生活を心がけましょう。

昆布やトマトの「グルタミン酸」で唾液の量を増やす

唾液には食べかすや悪玉菌を洗い流す働きがあります。昆布やトマトに多く含まれるうまみ成分「グルタミン酸」は、唾液の分泌量を増やすのに効果的。積極的に摂って。

にんじんやほうれん草で歯のエナメル質を守る

歯の外側を覆う「エナメル質」は、虫歯から歯を守る役割があります。にんじんやほうれん草に豊富なビタミンA、乳製品に含まれるカルシウムはエナメル質の強化に◎。

間食の回数を減らして悪玉菌の増殖を防ぐ

甘い物などの糖質は、悪玉菌の好物なので控えめに。また、ダラダラと食べると、悪玉菌が増え続けます。間食は時間を決め、食べたら歯をみがくか、口うがいの習慣を。

定期的に歯科医院で歯垢や歯石を取る

半年に1回は歯科医院で検診やクリーニングをしましょう。歯垢や歯石は、セルフケアだけでは落としきれません。プロの手を借りることも必要です。

最後に

いかがでしたか?正しいお口ケアで歯とお口の健康を守りましょう。
次のページでは今月のレシピをご紹介!
「お口を元気に保つレシピ」ぜひご覧ください✨


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