シニア世代の”新しい”眠り方

「朝までぐっすり眠れなくなった」「夜中に何度も目が覚める」……。
年とともにそんな悩みが増えてきませんか。でも、それは加齢による自然な体の変化なのです。

「睡眠ホルモン『メラトニン』の分泌量は50代から激減。そのため、中高年になると深く長い眠りから、浅く短い眠りへと睡眠リズムが変化します。すると睡眠時間が短くなったり、夜中に目が覚める回数が増えてくるのです」(坪田聡先生)

眠りの質が変わっても、体が元気なら問題ありません。昔の眠りにこだわらず、今の自分に合った新しい眠り方で快眠生活を取り戻しましょう。

教えてくれたのは…
坪田 聡先生
雨晴クリニック院長、医学博士。睡眠トラブルがほかの病気の発症につながることに気づき、睡眠専門医として20年以上、治療・予防指導にあたる。

坪田 聡先生
目次

加齢とともに睡眠リズムは変化する

人の眠りは「浅い睡眠」と「深い睡眠」の周期を一晩に4~5回繰り返します。若いうちは眠りが深く、周期も長いですが、中高年になると浅く短い睡眠リズムに変化。眠りが途切れがちになります。

眠りの新常識で快眠に!

睡眠の変化を感じたら、それは新しい眠り方を取り入れるサイン。
無理に眠ろうとするのではなく、眠りとの付き合い方を変えてみて。

シニアの睡眠は短くてOK

若いころと比べると日中の活動量が減るため、8時間寝ていた人が6時間しか寝られなくなるのは当たり前。睡眠時間が短くても、朝すっきり目覚められれば問題ありません。

起きたい時間に合わせて寝る

シニアになると床に就くのが早くなりがちですが、その分、早く目覚めることに。翌朝の起床から6~7時間前を「逆算」して就寝しましょう。なお、スマホやPCなどの光は脳を覚醒させるので、寝る前は使わないで。

夜中に目が覚めたら「分割睡眠」を

夜中に目が覚めたとき、布団のなかで「寝られない…!」とイライラするのは逆効果。いったん読書などをし、眠くなったらまた3~4時間眠る「分割睡眠」を取り入れましょう。

昼間に元気なら眠りは十分

必要な睡眠時間はその日の体調によっても変わります。「あまり寝られなかった」と感じても、日中、強い眠気に見舞われることなく活動できていれば、睡眠時間は足りています。

睡眠力を補う生活習慣

睡眠の変化は、食事で眠りに良い成分を摂ったり、寝室環境を整えたりすることでも補えます。

カフェインの覚醒作用がシニアは2倍に!

カフェインの覚醒作用は、若い人なら1~2時間で半減しますが、シニアになると4~5時間かかります。夕方以降はハーブティーなど、カフェインレスの飲み物に。

しらすや煮干しで睡眠の長さを整える

カルシウムには、睡眠時間の長さを整える作用があります。ビタミンDと一緒に摂ると吸収率がアップするので、どちらも豊富なしらすや煮干しを積極的に摂りましょう。

寝室の温度と湿度にこだわる

快適な睡眠には、温度と湿度が大切。夏は28℃を超えると睡眠の質が落ちます。冷房を活用し、湿度は50~60%を保って。敷布団に寝ゴザを敷くと涼感がアップするのでおすすめ。

30分昼寝+ しっかり運動を

日中しっかり運動することで、睡眠の質が上がります。30分ほど昼寝をすると、午後も元気よく動けて◎。深く眠りすぎるのはNGなので、昼寝は椅子に座ったままとって。

最後に

いかがでしたか?シニア世代の”新しい”眠り方で快眠生活を取り戻しましょう。
次のページでは今月のレシピをご紹介!
「快眠サポートレシピ」ぜひご覧ください✨


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