ひざを守る座り方・立ち上がり方のコツ

立ち座りの動作はひざを深く曲げるため、関節や軟骨に圧力が集中して大きな負担がかかります。つまり、痛みが出やすい、要注意な動きなのです。理学療法士の西野英行先生が、負担を減らす2つのポイントを教えてくれました。

「1つは、ひざとつま先の向きを揃えること。ひざは基本的に曲げる・伸ばす動きだけをする関節で、回転はしません。向きがずれると余計なひねりが加わり、ひざに負担がかかります。もう1つは、適切な重心移動でひざへの圧を減らすこと。脚全体や腕の力を使うことで、ひざの負担を減らせます」

ひざを守る動きで、痛みを防ぎましょう!

教えてくれたのは…
西野 英行先生
理学療法士。訪問リハビリテーションで、月150件のリハビリ指導を担当している。

西野 英行先生
目次

座り方・立ち上がり方

立ち座りは、1日に何度もひざを深く曲げるため、ひざ痛の原因に。
負担を和らげ、ひざを守るコツをお教えします。

椅子の座り方・立ち上がり方

1.座面の前方にお尻をずらす

座面に両手を突き、お尻を前方へずらす。足は腰幅に開き、つま先とひざの向きを揃える。

2.上体を倒してお辞儀の体勢に

背筋を伸ばしたまま上体を前に倒してお辞儀の体勢になり、重心を足へ移動させる。

3.お尻を浮かせ、前方へ立ち上がる

頭を少し前へ突き出し、真上に上がるようなイメージで、お尻を椅子から徐々に浮かせていく。手はひざに。

の座り方・立ち上がり方

1.体をねじって斜め後ろを向く

両足を前へ伸ばす。上体をねじって斜め後ろを向き、手を床につく。ひざとつま先の向きを揃え、床を見る。

2.四つんばいになり片ひざを立てる

1の体勢から四つんばいになる。体を少し前へ突き出し、両手を床についたまま片ひざを立てる。

3.両手をひざに置き立ち上がる

両手を立てた片ひざにのせ、体重をかけてゆっくり立ち上がる。椅子や台につかまりながら立ち上がるのも◎。

ひざを守る動作のコツ

日常生活の何げない動作が、実はひざへの大きな負担に。
ちょっとしたコツでひざが楽になるので、ぜひ身につけて!

階段の下りは、後ろ足に体重の5~6倍もの負荷がかかります。片足ずつ段を下りるのではなく、両足を揃えてから次の段に下りるようにして。手すりを使うと、さらに◎。

正座など、ひざを90度以上曲げる動作は関節に大きな負担に。また立ち作業は余計なねじりが加わりやすくなります。洗濯物たたみや料理の下ごしらえは、なるべく掎子に座って。

重い荷物を片手で持ったり、いつも同じ側で持つのはNG。重心が偏り、ひざ関節の変形の原因に。左右に重さが均等にかかるリュックや、両手で押せるキャリーカートがおすすめ。または、荷物を持つ手を左右こまめに変えて。

サポーターを使うと関節が安定し、動作始めの痛みを軽減できます。ひざを動かす心理的ハードルが下がるため、自然と運動量が増え、ひざまわりの筋肉強化にもつながります。

最後に

いかがでしたか?ひざを守る座り方・立ち上がり方のコツで痛みを防ぎましょう。
次のページでは今月のレシピをご紹介!
「ひざ痛を防ぐレシピ」ぜひご覧ください✨


【注目】人気の記事はこちら

秋の味覚で免疫力アップ

ツラ~い腰痛が楽になる「1分ちょいトレ」

3つの”若返りホルモン”で老化を防ぐ

目次